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タイトル: 滋賀県産野草に内生するネオティフォディウム・エンドファイトの分布と分類ならびに分子生物学的研究
著者: 柳田, 直樹
発行日: 2006/03/23
抄録: 1) 滋賀県の主要河川についてアオカモジグサのエンドファイト感染の実態調査を行ったところ、交通量が多い所や建設工事が行われた所など、なんらかのかたちで人の手が加わった場所での感染率が高かった。 2) アオカモジグサがまの穂病発病株を株分けしても、次年に発病するとは限らない。 3) アオカモジグサのがまの穂病罹病株はすべての出穂茎が発病するのではなく、罹病茎と健全茎が得られることがわかった。健全茎は種子を生産するがこれらの種子は、エンドファイトに感染し、次世代株にがまの穂病を発病させることがあった。 4) アオカモジグサがまの穂病の発病と播種期との関係には、相関が認められなかった。 5) アオカモジグサ種子からPDA培地に分離されるエンドファイトには、菌糸が直線状に伸びるものと波線状に伸びるものが認められ、また、どちらもタイプでもがまの穂病の発病が確認されたことから、菌糸の形態と発病とは関係ないことが明らかとなった。 6) アオカモジグサ栄養系のがまの穂病継代発病様相を観察したところ、選抜を行っても増えないタイプ、ある時期に突然発病が増えるタイプ、選抜によって発病しやすい個体が得られるタイプおよびわい化を伴って発病が固定するタイプの4つに分類された。 7) 宇曽川でミイラ穂症状の病害を認め、アオカモジグサではなくカモジグサであった。 8) カモジグサのミイラ穂様の標徴から分離した菌は、Neotyphodium型分生子を形成するがまの穂病菌であったことから、カモジグサがまの穂病として命名した。 9) ミイラ穂様の症状を呈するカモジグサが、最初の発病地点とは異なった場所でも見つかったことから、カモジグサでは、がまの穂病としては不完全な標徴が一般的であると考えられた。 10) 滋賀県内の各地で採集したカモジグサ種子を観察したところ、エンドファイトに高い割合で感染していた。 11) カモジグサがまの穂病菌は、アオカモジグサがまの穂病菌と同様に種子伝染することが明らかとなった。 12) β-tubulin遺伝子一部領域を基に、アオカモジグサがまの穂病菌とカモジグサがまの穂病菌を比較したところ、それらはほぼ同一の菌であると考えられた。 13) トボシガラから分離したエンドファイトは、β-tubulin遺伝子を複数持っていることが 明らかとなった。そのことから、2種類以上のがまの穂病菌の交配によって生まれたハイブリッド・エンドファイトである可能性が示唆された。
内容記述: 環課第3号
NII JaLC DOI: info:doi/10.24795/24201k010
URI: http://usprepo.office.usp.ac.jp/dspace/handle/11355/520
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