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タイトル: Study on electromagnetic-wave control in conductive periodic structures and its applications for devices
著者: 伊丹, 豪
発行日: 2020/03/20
抄録: 本論文は、電磁界理論とその応用コンセプトであるメタマテリアル設計に基づいた,次世代の通信・デバイスに資する応用技術に関する論文である。 まず、第1章で、研究の背景について説明している。広義のメタマテリアルである擬似表面プラズモン生成構造や周波数選択板は、その電磁的性質を人工的な媒質パラメータで制御できる特徴を持つが、その制御性は学術的価値な価値はあり応用可能性は示されつつも技術として具体化されていないのが現状である。本研究では、これらの周期構造の制御性に関する理論的考察と応用技術としての具体的な検証内容を記述している。 全体の概要として、周期構造の境界的作用と媒質的作用の制御条件に関する理論的考察を行い,そこから得られた表面波伝搬(SSPP),インピーダンス表面 (FSS),人工媒質の知見をもとに,ミリ波・テラヘルツデバイス応用と無線通信環境制御に資するマイクロ波帯応用技術の実現可能性について報告する. 第2章の、周期構造の境界的作用と媒質的作用の制御条件に関する理論的考察では,SSPP・ FSSで代表的に用いられている開口構造(MHA)とその逆構造 (MPA)を用いて,構造の厚みとそれに対応する現象変化の関係性について議論する.境界面として作用する場合,その電磁的特性が電界と磁界の双対性よりバビネの定理に従うことが知られている.一方で,媒質としてみた場合構造表面上にSSPPが生成することがわかっているため,構造が厚さ変化によって,境界面から媒質と変化するとき,バビネの定理が崩れる瞬間が訪れるはずである.まずMHAとMPAにおけるSSPP生成理論について説明しバビネの定理の破れについて理論的に議論し,構造の厚みを変化させたときの両構造のもつ周波数特性の変化について数値解析と実験によって確認した結果を報告する. 第3章では、ミリ波・テラヘルツデバイス応用の一つ目として,高周波伝送路からの染み出し抑制を目的としたSSPP伝送路設計時の表皮深さ(skin depth) の理論的な予測モデルとその実験的な検証を行った.その結果,予測値と実験値の良好な一致が得られた. 第4章では、応用技術の二つ目として,上記周波数帯のSSPP生成構造の動的制御による簡易生体診断手法を提案し,その実現可能性について実験的に検証した.具体的にはまず近傍電界によるSSPPの動的制御を用いた診断メカニズムの妥当性を検証したのちに,本診断手法を用いた生体を含む種々のサンプルの二次元イメージング実験を行ったその結果,近傍電界によるSSPPの動的 制御によって局所的な誘電応答が得られることを確認し,導体,誘電体,生体 擬似材料,生体(がん細胞を含むラットの肺)の誘電率分布が実験的に得られ, 生体診断手法としての実現可能性が示された. 以降の章では、無線通信環境に資する電磁界制御技術として,広帯域・小型到 来方向推定装置(DOA装置)と簡易設計可能な周波数適応空間フィルタ(適応 FSS)を設計・作製した結果について報告する. 第5章のDOA装置では,周期構造媒質を用いて無線通信の主要周波数帯である2-6 GHz帯を対象としたサブ波長散乱パターン形成空間を設計し,散乱パターンを用いて,到来波の周波数・到来角情報の抽出可能性について数値解析と実験によって検証したその結果,上記空間内で定在波が生じることを確認し, この散乱パターンが周波数·到来角に応じて変化しその挙動は数値解析と実験 で同様の傾向を示すことを確認した. 第6章の適応FSSでは,外部電源を用いず1セットの設計モデルで任意の動作周波数に適応可能な3層型のFSSを設計・作製した層同士の重ね合わせ状態を特定の方向にずらすことで層間で形成される電気容量を変化させて動作周波数帯を変化させることができる.本原理の妥当性を等価回路・数値解析・実験 によって検証したその結果,等価回路モデルの妥当性を確認し解析結果と実 験結果が良好な一致を示すことがわかった. 第7章では上記を踏まえた本論文の結論を述べる.
内容記述: 工課第18号
NII JaLC DOI: info:doi/10.24795/24201k115
URI: http://usprepo.office.usp.ac.jp/dspace/handle/11355/581
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